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(作成:2014.3.31、最終更新:2019.1.31)
はじめて論文を書く
論文とは、基本的に「タイトル、著者名、著者の所属機関」「抄録(本文の要約)」「本文」「参考文献一覧」の要素から構成されて一定の形式を持ち、あるテーマに関する自分の主張を、論理的な根拠を挙げながら、読み手に説明する文章です。
自分の研究を読み手にわかりやすく伝えるために、タイトルや抄録の表現を工夫したり、文章の構成を整理したりすることも重要です。
レポート・論文の書き方に関する本は多数出版されています。論文執筆の早い段階で、このような本を何冊か読んでおくと参考になるでしょう。
図書館でも借りることができます。東京大学OPACで「論文作法」と入力して検索してみてください。
(例)
1. 木下是雄.理科系の作文技術 [改版],中央公論新社,2002.
2. 酒井聡樹.これからレポート・卒論を書く若者のために. 第2版, 共立出版, 2017.
3. 戸田山和久.論文の教室: レポートから卒論まで. 新版,NHK出版,2012.
(予約や取寄せについて⇒【図書館を使いこなそう!】の項目参照)
また、検索で集めた情報を自分の論文の中で使う際は、他の研究成果を剽窃したことにならないよう、自分の文章と明確に区別した形で引用し、出典を明示しなければなりません。
論文の中で引用箇所を示すには、たとえば以下のような方法があります。論文の中での引用箇所の示し方や、参考文献リストの記述方法は、学会や雑誌で指定された書式に従ってください。
- 「 」で括って引用する
この点に関する問題として、「・・・・・」(1)と述べている。
- 前後に1行空け、段落を下げて引用する
この点に関する問題として、次のように述べている。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・。(1)
- ポイントを要約して引用する
この点について・・・・・という問題提起がある(1)。
いずれの場合も、引用箇所のすぐ後に、(1)、(2)のような一連番号を付けるか、(山田, 2005)のように著者名と出版年を( )で括って示し、論文末尾の参考文献リストと対応させます。
引用を明示する目的は、参考にした他の研究のオリジナリティを尊重することと、論文の読者に自分の主張を良く理解してもらうことにあります。
この点に留意すると、以下のことに注意が必要であることがわかります。
- 引用は正確に書く
引用する際は、原文に書いてあるとおりに正確に書きます。著者の意図を読み違えないように、原文の文脈から趣旨を正確に読み取ることも必要です。他人が引用した文章を、原文を見ずに引用すること(いわゆる「孫引き」)は、正確性の観点からも避けるべき行為です。
- 出典の情報は正確に記述する
参考文献リストに挙げた情報(著者名、誌名、巻・号・ページなど)が間違っていると、それを頼りに文献を探そうとする読者に、大変迷惑がかかります。論文自体の信頼性も損なわれますのでご注意ください。
- 第三者が参照しやすい情報を挙げる
論文の読者のことを考えれば、第三者が参照可能で、できるかぎり入手しやすい情報を参考文献として挙げる配慮も求められます。
(参考)
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